白鳥内科医院

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鵠通信

その他のお悩み

医院の概要

〒430-0814
静岡県浜松市恩地町192
電話:053-427-0007
Fax:053-427-0005

主な診療内容
頭痛外来・小児頭痛
(6歳以上の小児を含む)
認知症(物忘れ)外来
パーキンソン病とその類縁疾患

診療時間
○月・火・金
9:00〜11:00
15:30〜17:30
○土・日・祝
9:00〜11:00

休診日
○水・木休診
 (水・木は、祝日でも休診)
計画休診は お知らせ をご覧ください。おおむね1〜3か月先まで、表示してあります。

待ち時間を短くしたい方には、午後4時半から5時(月火金)の受診をお勧めします。
この場合は、平均的な待ち時間は30分程度のことが多いようです。計画休診は、 お知らせ をご確認ください。

当院の総合サイトは
脳検査・治療センター
白鳥内科医院

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鵠通信 第136号

旅する神経内科医 Dr白鳥の視察旅行

11月に入り、台風シーズンの片頭痛患者さんは落ち着いてきました。群発頭痛も、季節の変わり目に多いのですが、こちらも若干減ってきました。
 認知症の患者さんに関して。レビー小体型認知症で、診察室ではいつも陽気なのですが、ショートステイなどでは、相手にしてもらうのに少し時間がかかるだけで突然怒り出す、という方の対処に頭を悩ませています。薬を増やせばいい、というだけではないので、なかなか困難です。病院では待ち時間もおとなしくしていられるのに、何が違うのかな、と想像してみるのですが、、。たまたま今日が再診でしたが、薬を増やしたら、予想のごとく、朝からうとうとして歩行がおぼつかない、しかも幻覚が増えている。しかし、施設じゃ「お薬が効いて落ち着いている」「これならグループホームにも入れるかも」と喜んでいるそうな。「いくらなんでもこれでは」という娘さんと相談し、ややお薬を減らす。どうなることやら。

 あとはさみしいお話。同じくレビー小体型認知症LBDの方で、2003年からなんと17年間通院された患者さんが、ついに施設に入りました。うつ病で発症し、他院で自律神経と診断されたものの改善せず、当院で抗うつ剤を処方し元気が出ました。しかし、ほどなく、夜間に「仕事に行かなきゃ」と言って起きだしてくることがふえ、同時に認知機能が衰えてきた、という経過でした。最近では、加齢とともにパーキンソン症状も加わり、足腰が衰え、施設に入ったほうがよかろう、ということで、奥さんがギブ。老々介護だったので、無理しないで施設を検討しましょう、とかねがねお話ししていましたが、ずいぶんと頑張りました。もともと夫婦仲がよかったし、奥さんが我慢強い方でした。比較的介護が大変なLBDですが、それで長期にわたる通院が可能だったのだと思います。長い間には、前立腺がんを発症したり、認知症だけでなく、さまざま乗り越えて参りました。患者さんとのお別れは、どんな時でもさみしいものですが、施設に入っても大事にしてもらえるよう、願わずにはいられません。

 当院のコロナに対する考えは、日本全体がストップしていた5月に表明し(COVID-19(新型コロナウィルス感染症)に対する当院の考え方(2020年5月))ました。振り返ってみても、私の予言のごとく展開しています。簡単にまとめると、@地方では必要以上に恐れる必要はないから自粛警察に負けるな、外に出ろ A密で大声を出す機会は避けろ、外食やカラオケはダメ B東京など大都市と主要な観光地が主戦場だから、そこを集中的に抑えろ C秋までにいったん収まるが、冬はまた要注意だ、という内容。世の中はgo toではしゃいでいますが、冬に向かい、密になり、大声を出す機会は絶対に避けなきゃダメです。旅行先の選定は慎重に、特に東京の人がたくさん行く場所は避けなければいけません。Go to eatは、外食産業の方には申し訳ないけど、時期尚早だと思います。忘年会で酒を飲んで大騒ぎしようなんて、言語道断。最悪です。

 さて、9月末から10月までは、集中的に東北を視察してきました。青森、岩手、秋田、宮城の自然をメインに。
 その合間に伊豆は下田に一泊。

〇南伊豆で豪快にBBQ

 これはBBQが主体。貸コテージ伊豆の七輪で炭火焼。宿の主人が頑固者でgo toどころか、じゃらんや楽天のような予約サイトも利用しないけど、情報提供が的確。人気のコテージです。おしゃれなコテージもいいけれど、頑固者の宿も好きです。伊勢海老は漁港の直売所よりアオキさざえ店の方がいいというので、車2分で買い付けに。サザエと特大伊勢えびを購入、スーパーバローで安く手に入る伊勢海老とは、大きさも質も違います。お頭は味噌汁に。翌日は金目鯛のアクアパッツァ。これは下田の町のスーパーアオキで入手したけど、下田港のものより千葉沖のほうが新鮮という不思議な状態。「沖」金目といって、漁場が遠く、それが千葉沖ということ。下田近海で獲れる「地」金目は、脂の乗りが違うし上品新鮮だが、あまりに高級で、地元のスーパーには並ばないようです。そのうち1kg超えの地金目をいちど食したいものだ。
 野菜は、下賀茂温泉の道の駅で買ってもいいけど、自分的に一番のお勧めは、松崎手前の道を山に向かうと大澤温泉という歴史ある自噴(とはポンプでくみ上げずに自然に湧いて出ているということ、正統な温泉。伊豆石の湯船の底からぼこぼこ泡とともに湧き出しています)露天風呂があり、大のお気に入りなんですが、その手前、小さな直売所の野菜やお米が、おいしく新鮮かつ安い。今回は「まこもだけ」という、流行らしい、細い筍のようなイネ科の野菜を見つけ、七輪で焼いたらとてもおいしかったです。スーパーあつみで見かけるけど、鮮度が落ちやや高額です。  帰りは、金谷旅館の千人風呂に寄ったら、独占状態。前回宿泊したときに疑問だった、低温・高温の源泉の違いを教えてもらいました。そして、コテージ推薦の三好でうなぎ。丁寧な炭火焼、ごはんも炭で炊いているそうです。土肥からフェリーに乗る前に、弁天の湯でゆっくり。大澤温泉と同様、43度くらいあるので、ここは加水してもいいし、十分に掛け湯をすれば、慣れてはいれます。一日のお風呂限界を超えました。せっかちな都会の人には無理かな。そもそもせっかちでは本当の温泉好きにはなれません。

 ここからはいよいよ東北視察の話。3回に分けて、東北視察をしましたが、何を隠そう自分が熱い湯に入れるようになったのは、最初の青森視察から。浜松の人を含め、東京より西の人は、東北に事実上行ったことがない人が殆どでしょう。自分も、学会で何回か訪れているものの、このコロナがなければ、当面なにも知らないまま過ごしたと思います。馴染みのない地名がポンポン出てくる。しかし、なかなか魅力と野趣あふれる土地でした。

1回目の視察
〇青森空港を起点に、下北半島から十和田湖をべたに観光
〜青森県の東から真ん中を一周〜

 そもそも青森県は、奥羽山脈を境に、東西に分かれているようです。静岡県も、駿河(静岡)、遠州(浜松)、豆州(伊豆)は、それぞれ独立しているようなものですよね。浜松から下田なんて、東京よりよっぽど遠いです。
 青森は、旧南部藩(太平洋側)、津軽藩(日本海側)に分かれ、明治元年には小競り合いまで起こしているので、いまだにお互いライバル意識が強い。日本のアラブだ、という過激な意見も。そんな青森の旧南部藩を最初に周遊。
 きっかけは、ネットで「日本のパイネ、仏ヶ浦」という記事を見てから。コロナがなければ、今年の冬はパイネ・トレッキングを予定していたので、目についたのです。もちろん本場のパタゴニアとは似ても似つかないものですから、比較するのは失礼と思いますが、掴みとしてはOKでしょう。準備は、まず、るるぶとネットで大雑把にとらえ、いつものごとく、詳しく知りたいところは現地観光協会からパンフを取り寄せ。
 外来終了後、小牧空港に直行。青森空港でレンタカーを借り青森市内に。安くておいしいことで有名な一八寿司そばのホテル泊。シルバーウィークで混んでいましたが、予約なしでもすぐ入れましたから、例年よりは空いているということでしょう。銀座すしに比べるとよほどリーズナブルで、味もまずまず。日本酒を頼んだら、おちょこに小さな異物が入っていたので、店員さんに指摘したら、若女将が確認し、マウスガードの部品と判明。「全然だめですね」とがっかりしていました。コストアップしても普通にマスクの方がよさそうです。
 翌朝は、一路仏ヶ浦に。まさかりのような形の下北半島をひたすら北上する。これが想像以上に遠い。軽く3時間以上かかる。ナビで有料道路に誘導されたが、シルバーウィークといえど青森より北はがらがらなので、一般道でも時間は変わらなかった模様。ともかく、10時半の佐井港発の観光船に乗らなければいけないので、例によって事務長とこの道でいいのか、なんだかんだと言いあいながらドライブ。まあ、どうせ大して道路なんてないのだ。コロナの影響がなければ、もっと仏ヶ浦に近い牛滝漁港から、小さな漁船が運んでくれて、そこまでなら楽なのだけれど、前日に電話したら「コロナでやっていない」とのこと。しかし、現地には漁船で来ている人がいたので、ほかに出ている漁船がないか聞けばよかったのかも。田舎だとよくあることで、途中で佐井行きの道路が工事で閉鎖中と表示され、あせったが、観光船乗り場に電話したら回り道を教えてくれてなんとか到着。最北端の大間経由だから、3時間半かかりました。早めに出発して良かった。といいつつ、出発前早朝にのっけ丼を食べようと市場まで行って、意外と混んでいたのでパス、かわりにしじみラーメンを朝から食べているのだから、事務長が「のんびりできない」と嘆くのがわかる。
 その仏ヶ浦が何かというと、奇岩が連なる断崖。行ったことはありませんが、岩手の浄土ヶ浜に似ているとの説あり。伊豆半島もそうですが、日本列島はまさしくジオパーク。既視感があることは否めません。30分間観光船に乗り、佐井から仏ヶ浦に上陸。青い海と白い巨岩。海底火山の火山灰、凝灰岩が隆起した大地を風雪が削った奇岩。五百羅漢、1ツ仏、如来の首などと、名付けられています。30分の上陸時間はあっという間に終了。前日はここまで来て、波が高く上陸しなかったそうなので、ラッキー。うに丼とあわせ、7月がベストシーズンらしい。海もエメラルドだったり。  せっかく佐井まで来たので、他に何かないか探したら、三上家が紹介されていた。どうやら地元の旧家。そこの数代前の当主、軍医として日露戦争に従軍。包帯所がコサックに包囲されたときに、三角巾と赤い毛布でとっさに赤十字を作り、数十名の負傷兵を救ったという。その後は地元に戻り、開業医として田舎で一生を全うしたそうな。手縫いの赤十字が保存されていて、感動的。
 もと来た道を戻り、今夜の宿に。風間浦村の下風呂温泉。本州最北端の温泉にして、温泉通の間では熱湯風呂で有名らしい。そもそもは、アンコウ鍋を調べていて、冬には鮟鱇の刺身が食べられる村。たいていアンコウは沖の深海なのだが、ここでは岸辺で獲れるから新鮮なまま水揚げできるから、ということ。しかし、こんなところにいきなり冬に来られるとは思えないので、とりあえず夏の終わりにやって来たのだ。  つるやさつき荘。時期によっては黒いこともあるという不思議な内風呂。料理もお得意の民宿。ここもgo to参加していないものの、1日2組にお客さんを限定しているので、のびのびできる。コロナ対策というが、こういうサービスも嬉しい。割引クーポンだけがいいわけじゃない。地域の公共風呂は、大湯、新湯と2種類の酸性湯があるが、今年中に新しい風呂ができて廃止されてしまうので、これが最後の機会。  まずは新湯に。こちらの源泉の方がお湯は柔らかい。46度くらいある濁り湯。硫黄臭。東北の温泉らしさを初体験。地元の爺さんたちが、風呂周囲洗い場に、ゆっくり座ったり寝転んだりしている。熱くてとてもすぐに入ることはできないから、真似して掛け湯をしながら寝転ぶ。どばどば惜しげもなく源泉が注がれているので、淵から常にオーバーフロー状態で、体が程よく温まる仕組み。大湯は更にpHが低い。お湯が跳ねると目に染みる。ここも熱湯に近いが、不思議とならせばゆっくり浸かれるようになる。
 夕食は海鮮尽くし。大間マグロも食べられるかと思ったが「季節じゃないし、いいまぐろは東京に行っちゃう」ということで、白身魚が主体。普段このあたりの人が食べている料理を出す、というコンセプトだとわかった。さすがに魚は新鮮です。ドライブの途中で見かけ購入した、お寺で醸造しているという珍しい地ビールも、他にあまりお客さんがいないので、持ち込みで飲ませてくださいました。親切です。まあ、ビールは寺の味がしました。
 宿の源泉も熱湯で、事務長は入れないと騒いでいましたが、宿の方が「好きな温度に加水していい」というので、なんとか入れた。湯の華が少し黒いような。  ひとつ残念だったのは、この村は「元祖いかさまレース」で有名なのに、できなかったこと。沖で獲れたばかりのイカで、レースをやって遊んだあと、刺身にして食べる、という企画なのだが、コロナで事実上やっていない。それどころか、営業時間内に訪問したのに、もう今日はイカ料理も出さないというのだ。水揚げしたばかりの透明なイカを食べられる場所は少ないだけに、残念。宿の人が言うには「今まで経営していた人がやめて、村の委託でやるようになってから、熱心じゃなくなった」とのこと。なるほどなあ。委託費が出ているから、熱心にやる気がおこらない、ということかな。
 3日目は、恐山経由で、十和田湖プリンス宿泊。恐山賽の河原は、昔、寺山修司の映画で風車がカラカラ回り不気味でしたが、身を清めるための温泉まであるのにはびっくりしました。車中泊しながら東日本をぐるぐる旅行中のお爺ちゃんと情報交換。  4日目は雨の奥入瀬渓流を少し歩いて星野リゾート宿泊。初めての星野体験でしたが、やっぱりな、という予想の範囲内。  5日目は蔦湯温泉のわきから始まる蔦沼のトレッキング。紅葉で有名なので、この時期はほぼ独占。1時間半くらいゆっくり歩いて終了。超有名温泉、酸ヶ湯に移動し、またもや酸性湯の千人風呂に。一つのふろおけとしては、金谷旅館のほうが大きそうだ。熱湯ぶりも、下風呂に比べりゃ楽勝だ。  小牧空港経由で帰宅。最終の新幹線に間に合わなくて、名古屋後泊したのが痛い。翌朝職場に直接向かう。疲れるぜ。

〇2,3回目の東北視察は、余裕があれば報告しましょう。

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